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楽しい読書・つまらない読書 |
| 子供の本離れが深刻だとTVで観た。それもしょうがないだろうと私は思う。今は活字中毒の私も、小学生のころは家で本を読むことはしなかった。読書が楽しくなかったのだ。勉強も同じ理由で楽しくなかった・・・が勉強の話はまたいつか書く機会があればということで、今回は読書の話。 幼稚園時代、近所に同じ年頃の子もなく家で過ごす事の多い私は、絵本を読んで過ごす子供だった。 小学生時代、国語の授業は好きだったし、朗読は得意で教科書の中からお気に入りの話を何度も読み返しては楽しんでいた。 それでも、読書は嫌いだったのだ。「つまらない読書」は。 小学校に入学するころ、母が急に「世界少年少女名作全集シリーズ」なる大きな本を買ってきた。毎月1冊ずつ新刊が出て揃えていくものだ。全部で30冊くらい。 第1回目の「ロビンソン・クルーソー」は最後まで読んだ。ものめずらしさも手伝って。母に感想を聞かれた。母が私を思って高い買い物をしていることを子供心にわかっていた私は「おもしろかったよ」と答えた。 が、実はぜんぜん楽しいと思えなかったのだ。絵本とは違う。挿絵も入ってはいるけれどかわいい絵じゃないし、字も小さいしお話は頭の中で想像できない・・・つまんない。 その後毎月送られてくる本に、私は見向きもしなくなった。母が「読んだの?」などとたまに聞くが「うん・・・」などと適当に流して。そして、読まれない本が大きな本棚に30冊並んだ。 ある日、母と買い物に出て本屋に立ち寄り、ある棚の前で母は立ち止まった。 母:「これ、面白そうだし読んでみない?」 私:「・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」 それは伝記シリーズという有名な人物のお話を描いた本のシリーズものだった。母はシリーズ最初の「ナイチンゲール」を手に取りレジへ。私は、また読まなきゃいけないのかと憂鬱になりながらも「嫌だ」とは言えなかったのだ。 そして、以前と同じ展開。その後母は伝記シリーズを月に1冊ずつ買ってくる。私は読む。まるで与えられた義務のように。 そして心の中で思うことはいつも同じだった。 つまんない!!!!!!!! 学校でも同じだった。学級文庫も図書室もなんだかわかんないけど嫌いだった。教科書で習った作品の本を推薦図書として買うときも、みんなが買ってるし先生も薦めてるからって理由で・・・そして、毎回つまらなかった。 国語の授業は好き、教科書の中の作品を読むのは好き、でも読書は嫌い。 妹や弟の世話で母が私をあまり干渉しなくなったころ、私はそんな子供になっていた。 中学2年の春、ヒマをもてあまして家の中をウロウロしていた私は、今は妹の部屋に置かれている本棚からあの「世界少年少女名作全集」をあれこれ手に取ってはパラパラめくっていた。そして、ある1冊を何気なく読み始めて・・・気がつけば最後まで読んでいた。面白かった。心がワクワクと躍った。もったいない!こんな楽しい話を今まで知らなかったなんて!!!もっと読んでみたい。もっとワクワクしてみたい。 楽しい読書ってこういうことなんだと、初めて思った瞬間だった・・・ 読書は趣味のひとつであり、子供の教育の一環でもある。その2つの違いが「楽しい読書」と「つまらない読書」を生み出しているのではないだろうか。 自分で見つけ出会った本と親や教師から与えられる本は、読む子供の側にとっては天と地ほども違う。 ついでに言うと、どれだけ本を読んだからといって賢くなるとは限らないし、感性が豊かになるわけでもないのだ。そう思いたがるのは、子供に期待する親の欲目でしかないのではないだろうか。 読書はなんの役にも立たないけど楽しい。それでじゅうぶんだと思っている。 |